「美女と野獣」〈前編・後編〉
ボーモン／原作
藤田勝治／脚本・画
童心社
「ゆたかなこころシリーズ」

藤田勝治さんの幻想的な絵が素敵な作品。波乱万丈のストーリーを楽しめるお子さんに。不勉強にしてボーモンの原作を通読したことはありませんが、ディズニーの映画作品とは、登場人物や筋立てが異なります。そこがまた、映画を知ってる子には楽しめるらしい。

職場で顔見知りの、いささか集中力に欠ける就学前後のメンバーに対して演じました。しかも、私の思惑とは裏腹に観客は男の子中心、興味なくなったら容赦なく場を乱したり他の遊びに移ることができるメンバーでした。始めてみれば、子どもには少し難しい言い回しもあったりしたけれど、みなストーリーをよく理解して引き込まれていた様子。前編を終えると、自然にストーリーに関していくつか質問が出たりして、いい流れで後編へ。「自分だったらどうする？」とワイワイ話しながら読み終える。そして「もう1回読んで」。おいおい長丁場なんだぞ！

「シビーくんのおつかい」でも充分楽しめちゃったメンバーにしては、物語の理解も予想以上の出来でした。結末で、ヒロインの2人の意地悪な姉が石像にされてしまうのだけど、それだけは2回続けて読んでも理解できなかったみたい。いまどきの子どもたちに、ご教訓話は通用しないのか？

ムーラン