「ブルルンガタゴト　いってきまーす」
浅沼とおる／作・絵
教育画劇「すくすく　のびのび」

この紙芝居は、不思議なほど赤ちゃんたちが集中して見てくれます。
男の子も女の子も、おはなしが好きな子もそうでもない子も、
０歳の子も１歳の子も２歳の子も、
身動きもせず、発言も控えて見入っている、という感じです。
２週間のうちに同じメンバーに何度か見せました。
ほかの絵本や紙芝居には興味を示さないお子さんも、
この作品が進むといつのまにか一緒に座って見ています。
それほどまでに彼らを惹きつける魅力とは！？

この作品が含まれている教育画劇「すくすく　のびのび」とは、
擬音語・擬態語を脚本に生かした赤ちゃん紙芝居のシリーズです。
「ねこさん　テクテク　あるいて「いってきまーす」。」
「さるくん　じてんしゃ　キコキコ「いってきまーす」。」
という具合に、動物たちがそれぞれの手段でお出掛けしていきます。
途中、飛行機とおひさまがゴッチンコ。パトカーや救急車の登場です。
終盤は、動物たちが行きと同じ手段でそれぞれに家路につきます。
「ただいまー」「おかえりなさーい」。おしまい。
全８場面。

わたしの周囲の子どもたちの間で、「いってきまーす」ごっこが流行している、
という事実はあります。
ままごと遊びの中で、おもちゃに混ぜている遊び用のバッグを肩に掛けて
「いってきまーす」と手を振ってどこかへ歩き去っていく、という遊びです。
そんな理由で、脚本の「いってきまーす」をより楽しめるということは、
あると思います。

浅沼とおるさんの、素直で素朴な絵が、またいいのですよね〜。
ひらがなが読めるような大きなお友だちに見せたらまた、
ツッコミどころがいくつもあります。

乗り物がいろいろ登場するのもいいし、
動物がいろいろ登場するのもいいし、
擬音語もいい。
挙げようと思えばいくらでも良い点を挙げられますが、
子どもたちのあの食いつきは、理屈ではないんですよね〜。

ムーラン