「パパねこ　つりへ」
堀尾青史／脚本、和歌山静子／画
童心社「かみしばい　おもしろ劇場」

はりきって朝早くから魚釣りにでかけたパパねこ。
途中で居眠りしてしてしまうものの、
イカンイカン！　家族においしいお魚を食べさせるため大奮闘。
最後は思いがけぬ大漁で、ママねこにも子ねこたちにも尊敬されて、
めでたしめでたし。

この作品のみどころは、堀尾青史さんの解説にいわく
「ブリューゲルの版画からヒントを得ました」という第７〜９場面。
パパねこに釣り上げられた魚を助けようと、
だんだんに大きな魚がつながって尾をくわえこみます。
３枚の画面をつなげると、全部で10匹の魚がつながっています。
演出ノートに「またこの三枚をつないで壁面にはって下さい」とヒントがあります。
１人で演じる場合は、真ん中の画面を舞台に入れて、
両手に前後１枚ずつ手に持って、３枚つなげて見せたりします。
壁に貼ることができたり、ほかに人手があるのであれば、
さらにその前の第６場面（パパねこが釣りざおを引っ張っている画面）も
つなげて見せることができます。
「ブリューゲル」が元祖なのでしょうが、
わたしなどは「トムとジェリー」の場面を思い浮かべます。

小さい子も楽しめる、楽しいおはなしの紙芝居です。
確かに和歌山静子さんの絵なのですが、見慣れたほかの作品とは雰囲気が違うと感じ、
とても気になって演じたいと思い続けていました。
画材のことがよく分らないのですが、ほかの作品より
ふんわり優しいタッチの絵が魅力的です。

全１２場面。

ムーラン