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 「やっぱりだいすき！おかあさん」
鬼塚りつ子／脚本、わかやまけん／画
童心社「たのしい季節の行事・ぽかぽか春のまき」
くまの親子の、心がぽっかぽかになる物語。優しくも鮮やかな色彩で描かれる春の野山を背景に、漆黒のくまたちが映えます。絵本「こぐまちゃんシリーズ」で知られるわかやまけんさんの絵。趣はだいぶ異なりますが、こちらもとっても明るく温かい仕上がりです。
中に「母の日のプレゼントにしよう！」というセリフがあることから、春の行事紙芝居に分類されるのだと思います。でも、こんな素敵な物語が、そんな限定された行事にしか演じられないなんて、もったいない！！
こぐまのプータは、「くろもり」へ木いちごを摘みに行きたいのです。なのに、疲れてゴロゴロ居眠りしているお母さんったら、「また、こんどね・・・。ムニャムニャムニャ・・・。」なんて、起きてくれません。
「♪ねぼすけ かあさん きらいだよ。
こんどねって いう かあさん、きらいだよ」
歌いながら、プータは独りで「くろもり」へ行くことにしました。
途中、「あんな とおくまで、ひとりで いけるの？」と驚くうさぎのみみちゃんに、「わたしもつれてって！」と言われても・・・
「だめ、だめ。みみちゃんは、まだ
ちいさいもん。また、こんどね。」
少しいばって答えるプータ。親離れの大冒険です。
結局プータは、目指す「くろもり」には到達できないまでも、近くの山でおいしい木いちごの茂みに出合って、目標達成。ところが！うっかり足を滑らせて、ずっと下の草藪へ転がり落ちて大ピンチ！
知らせを聞いたお母さんの大奮闘で、プータは事なきを得ます。ゴロゴロしてばっかりと思われていたお母さんの、面目躍如。
「お母さんって、そんなに立派なものじゃないのよ・・・」なんて照れたりせずに、堂々と演じたい！ 母は強し。
全12場面。読み聞かせになれているなら、年中さんくらいから。小学生まで楽しめると思います。
ムーラン
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