「ばあちゃんのちゃいろいて」
よこみちけいこ／脚本・絵
童心社「ともだちだいすき」

敬老の日が近いので、あわててご紹介です。

ごつごつ茶色い、ばあちゃんの手。
畑でおいしい野菜を作る手。
茶色い料理を作る手。
熱があるんじゃないかい？と心配そうに言い当てる手。
予言通り発熱した孫を、優しく癒す手。

作者よこみちけいこさんの実際の思い出を描いているのでしょうか。
祖母と孫とのあたたかいふれあいが、簡潔な文章で綴られます。
言葉少なに感動を呼ぶ、まさに名作紙芝居。
全12場面。幼児さんからＯＫと思います。

これまで紹介をためらっていたのは、
どうもわたしがこの紙芝居を演じると、妙な雰囲気になるのです。
なんだか居心地が悪いような。先日などは
数組の母親が次々とお子さんを連れて離れていってしまいました T_T
お母さんとおばあちゃんの関係は、いろいろ複雑なのかしら ^^;

演じるわたしの「おばあちゃん像」も影響しているかもしれません。
子どものときから祖母と同居していました。
あるとき友だちに「家におばあちゃんがいるの？いいなあ！」と言われ、
なにを絵本みたいなのんきなことを！と感じたのを鮮明に覚えています。
きっと友だちのおばあちゃんは遠くに住んでいて、
たまに遊びに行く孫を優しく甘やかしていたのでしょう。

…と、誰もの心に眠るおばあちゃんとの思い出を、
ムクムクと起き上がらせずにはおかない、不思議な作品です。
お試しあれ！

ムーラン