「ライオンとねずみ」おんがえし（１）
「ありとはと」おんがえし（２）
イソップ／原作、上地ちづ子／脚本、若山憲／画
童心社

単純な展開で小さい子にも楽しめる、イソップの寓話２編です。
小さいねずみ、地を這うありが、
ひょんなことから命を救ってくれたライオン、はとの
窮地に恩返しするおはなしです。

生き生きとした絵がとても魅力的です。
とくにライオンの表情。
ネズミを脅すライオン、人間のわなにかかって弱り切ったライオン。
４歳の男の子に演じたときは、ライオンの表情の変化に
笑い声をあげていた様子でした。

画面いっぱいに対象が描かれている絵は、乳幼児にもわかりやすく、
職場の１〜２歳児も楽しんでくれました。
動物たちの表情がわかりやすく描かれていることで、
ストーリーも理解できるようでした。
「あり」「はと」が、日常よく見る生物というのもポイントでしょう。

画を手がけているのは、若山憲さん。
絵本「こぐまちゃん」シリーズ（こぐま社）の、あのわかやまけんさんです。
若山さんの作品は、当サイトではこれまでに
「どんぐりのあかちゃん」
「かぜのかみとこども」
「やっぱりだいすき！おかあさん」
をご紹介していますが、いずれもテイストがかなり異なります。
「こぐまちゃん」の印象があまりに強い作家さん。
多彩な仕事ぶりにいつも驚かされます。

この紙芝居は、「ライオンとねずみ」全７場面と、
「ありとはと」全５場面の、あわせて１２場面です。
奥付は別々に記されているし、
童心社さんの作品番号も「1210-1」「1210-2」と分けられているし、
ページというか場面番号も、後半の「ありとはと」では
改めて�@から始まっているけれど、
でも脚本が、「ライオンとねずみ」の最初の脚本は、
「ありとはと」の最後の画面の裏に書かれていて、
「ありとはと」の脚本もしかりなので、
やっぱり２編を通して演じるようになっています。
楽しみ方は、工夫次第かと思います。

ムーラン