「かりゆしの海」
まついのりこ／脚本・画、横井謙典／写真
童心社「ひろがるせかい」

　その日のおはなし会は、いつにも増して、多くの親子が集まってくれました。恐れ多くも、椅子が足りなくて、立ち見の人垣が（一時的にとはいえ）できるほどでした。ありがとうございます。
　外は暑く晴れた夏の日、たくさんのお友だちと楽しむにはぴったりの作品です。みなさんのお力を借りて、この作品を演じました。

　みんなで心をこめて「ユガフ　タボーリ（＝世果報給り、しあわせが　やってきますように）」と唱えると、モノクロのイラストに命が吹き込まれ、豊かな珊瑚礁の海中写真が現れる、という構成です。全８場面。
　
　カラー写真が登場すると「ウワー！」と歓声をあげてくれる小さなお子さんたち。「きれいだねぇ」とお子さんたちの気持ちを盛り上げてくださる、お父さん、お母さん方。みなさんの温かいご協力で、とても良いおはなし会になりました m(_ _)m

　実はわたくし、スキューバダイビングの資格をもっています。ペーパーダイバーですが (^^; ダイブの資格を取ろうと心に決めたのは、慶良間のかりゆしの海をのぞいたからでした。
　青い空、エメラルドグリーンの海面、白い砂浜、白い雲・・・海上の風景だけで、充分すぎるほど美しかったのです。この美しい風景の中、船上で昼寝をして過ごす幸せな旅・・・と思っていたのです。そんなわたしたちに、同じ船に乗り合わせたダイブ初体験という方が、声を掛けてくれました。
「だまされたと思って、このゴーグルをして海の中を見てごらんなさい！」
　あのときの、衝撃！　わたしの知らない美しい世界が、地球上の大部分を占める海の下に、静かに広がっていたという、驚きの事実！

　この紙芝居を見る人たちに、あのときの感動を少しでも伝えられたらと、そんなふうに思うのです。ユガフ　タボーリ！

ムーラン