「よみがえったすいせん」
望月新三郎／脚本、渡辺享子／画、展開指導／板橋区赤塚保育園
童心社

半年も前に、いでさんからのメッセージにあったこの作品、
運よく出合うことができました！
全12場面の平和紙芝居です。
太平洋戦争下の房総が舞台です。
花農家では花の栽培が禁じられ、漁師は船がなく漁に出られません。
そんな理不尽さを、女の子の視点から描いています。
展開指導にある言葉を借りれば
「戦争にまつわるストーリーですが、美しい房総の自然と花つくりがベースとなっており、子どもたちもよく聞いてくれると思います。」
月夜の「秘密の花園」の幻想的な場面も、観客へのプレゼントでしょう。

この作品には、具体的な空襲とか爆撃などは描かれていません。
脚本に少々説明が入る程度で、日本が戦っていた他国の軍人や敵機も登場しません。
2008年の現在、戦争といえばミサイルを撃ち合うことをイメージします。
でも、実際に戦争を経験した人たちにとって、なにより恐ろしかったのは、
自分の身を守ってくれるべき政治家や隣人たちが、ここに描かれているような
理不尽な主張を押し付けてくることだったのではないでしょうか。
あり得ない…と思うけど、あったのですよね。
きっと、今も世界各地で起こっていることなのですね。

いでさんのように、「すっと心に入ってくる」演じ方ができるとよいな、
と思います。修行します。

ムーラン